健康IQ ~賢く健康に生きる~

「がん」と言われた。心筋梗塞、脳梗塞を起こした。「生活習慣病」、「高血圧」、「糖尿病」を指摘された。 医師の立場から、患者になる前、患者になってから、少しでも長く健康で生きるにはどうすべきかを伝えられれば

誰も教えてくれなかった 医者のかかり方完全マニュアル / おのころ心平

小池仁です。

前回の話と関連して、健康本(?)を読んだ感想を

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2014年1月25日に発売

 

2 / 5 点

一般の方が読者と想定して

「医療コミュニケーション」の面では参考になる点が多いと思います。どう病院を選ぶか、どう医者と話すか。やや違和感を感じるところがいくつかありますが、大筋この本にある通りに医者と話をすれば「医療コミュニケーション」は大分良くなると思います。 ここまでなら4点でした。

しかし、後半は筆者の「自己治癒力」を引き出す方法、の話に移っていきます。

また「注目の名医」と言って登場する3人の医師・歯科医がいますが、なにをもって「名医」なのか不明です。ただ3人に共通する点として「自己治癒力」のようなものに重きを置いていました。

はじめに「正論」を言って、あとの「持論」までも正論に見せるような展開で-2点としました。

なので「医療コミュニケーション」の部分だけは一読する価値あり、です。

 

一つどうしても訂正を入れたいところは

>「禁煙や減量などの『努力目標』が守れなくてもよい?」

>「OK!」

>医者だって「禁煙・禁酒・減量」がどれだけ難しいことであるかは、わかっているものです。

とありますが、禁煙、禁酒を医者が強く勧めるときは禁煙、禁酒をしてください。むしろ難しいことが分かっているので、禁煙・禁酒がそれほど必要でない場合は「出来れば控えてください」程度にしか言わない場合が多いです。

「禁煙」「禁酒」とはっきり言う場合は、呼吸機能、肝機能などを考慮して

「致死的」になりうる場合です。残酷かもしれませんが、それでも酒を飲む、タバコを吸う人は医療者側も助ける気力が弱まってしまいます。

 

「医療専門家」と名乗る人と「医者」では「医者」の言うことを信じるべきです。

これは明確に言えます。

医者と他のいわゆる「医療専門家」の一番の違いは

最後に責任をとるか

です。

医者は「なにかあれば連絡をください」と言います。

医療専門家は「なにかあれば医者にかかってください」と言います。

医者は患者の身体に責任を持ちますし、そのため自分の発言にも責任を持ちます。

この本にもあるように、医者はコミュニケーションが下手です。医療専門家は、人に話すことこそが仕事なので、非常にコミュニケーションは上手です。

どちらを信じるべきか迷ったときは一度立ち止まって考えてください。