健康IQ ~賢く健康に生きる~

「がん」と言われた。心筋梗塞、脳梗塞を起こした。「生活習慣病」、「高血圧」、「糖尿病」を指摘された。 医師の立場から、患者になる前、患者になってから、少しでも長く健康で生きるにはどうすべきかを伝えられれば

何をしに病院に?

小池仁です。

 

健康IQと銘打っているこのサイトですが、

健康IQ = 医学リテラシー × 医療コミュニケーション + 精神力

といったところでしょうか。

医学リテラシーとは、医学情報に対する読解能力です。 

医療コミュニケーションとは、いかに医療者と接するか。

今回は医療コミュニケーションについて、です。

 

まず2つの例をみてみましょう。

 

40代 男性「今朝起きて立ち上がろうとしたら、両足が痛くて。動かさなければ何ともないのですが。そろそろ人間ドックとか受けた方がいいですか」

両足のふとももに力をいれると痛い様子。見たところ得におかしなところはない。聞けば痛みの強さもそれほど強くないとのこと。

 

もう一つ

20代 女性「昨日から38度の熱が出て、喉が痛くて、咳と鼻水がでます。風邪だと思うのですが」

詳しく聞くと、喉が痛くて食事もあまりとれていない、とのこと。

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さて、この2例の大きな違いは何でしょうか。

 

答えは、病院に来た目的です。

一人目の男性は、不安を解消したくて、二人目の女性は、辛さの解消。

聞くと非常に単純なことですが、この違いを意識することは非常に大切です。

もし医者がそれを分かっていなければ、一人目に痛み止めを処方し、二人目に「風邪なので温かくして寝ていれば治ります」と言うだけ、という場合もあります。

勿論、医者がしっかりと「病院に来た目的」を確認する場合もあります。むしろ、すべての医者がするべきでしょう。しかし、現状そうではないのです。

 

そのために「健康IQ」を鍛えて

「痛みの原因が心配で」

「喉の痛さをとって欲しくて」

と自分から一言添えることで、自分の望む結果を得ることができます。

 

ちなみに一人目の男性は、聞けば2日前に久しぶりの激しい運動をした、とのこと。診断は筋肉痛でした。