患者になった時、どうやって調べる?
小池仁です。
引き続き、医療情報との接しかたについて。
もしあなたが病気について調べようと思ったときにどうしますか?
1)医者に尋ねる
2)関連するテレビを観る
3)関連する本を読む
4)患者経験者に尋ねる
5)インターネットで調べる
どれが一番「正確」な情報を得られるでしょうか。
僕の思う正確度の順が上の順です。
もちろん、ろくでもない医者、間違っているテレビ、偏った本、見当違いな患者経験者、玉石混交のインターネットとそれぞれに例外、欠点はあります。
ただ正確な確率については、この順番だと思います。
ここで医学の大原則について
医学とは確率論
これだけは覚えておいてください。現場で医者ー患者間でもっとも隔たりがあるのが、この点だと思います。今後、「医学は確率論」と頭の片隅に入れておけば医者との会話が驚くほどスムーズになります。
ここで本筋に戻ると、この問題も確率の問題です。
医者が正確な情報を与える場合が多い→医者の言うことを聞いてればいい。
ではないことは分かりますよね。一定の確率で医者も間違えます。
そのリスクを下げるには
1)自分でテレビ、本で調べる
2)複数の医者にかかる
3)できるだけ信頼できる医者を探す
などの方法があります。ここでも強調しておきたいのは
患者側の情報力によって左右される。
そのためにいかに情報をとるか、が大事です。
医学情報の見極めかたのコツを一つ。情報を見極める際に役立つ医学の大原則
医療行為に副作用あり
副作用なし!という治療を謳うものは確実に誤情報です。
たとえ市販の薬でも副作用はあります。逆に副作用がないものは、効果自体と断言できます。
「同じ病気のAさんが〜〜療法をしたけど、全く副作用もなかったし大丈夫」
これはどう考えられますか?
〜〜療法が安全と考えるか。
〜〜療法は副作用もないから効かないと考えるか。
では、あなたは〜〜療法をしますか?
答えは、「答えられない」です。
先ほど述べたように「医学は確率論」です。Aさんはたまたま副作用が出なかったのかもしれません。それが99%の人に出ないものか、1%の人に出ないものか判断できません。さらにAさんに出なかった副作用が致死的なものの可能性もあります。
今日は以上です。お大事にしてください
医者はどう勉強するのか?
小池です。
どうすれば健康に生きられるか?に直結するのは、
「どうすれば正確な医学情報を手に入れられるか」
あなたはどうするでしょうか。
インターネットで検索する。書店で本を探す。経験のある知人(患者)に尋ねる。テレビの特集番組を観る。などなどあるでしょうが、一番は
「医者に尋ねる」ではないでしょうか。では、その医者は正確なのか。
今回は、医者が医学情報をどのようにして手に入れているのか
今の時代、内閣情報調査室が週刊誌を読んでいるとか、各国のスパイはその国の一般的な新聞などで情報を集めている、と言われています。
同様に医学情報も誰でもアクセス可能です。
具体的に医師が意思決定をする際に使う情報は
1)世界的な論文 : ex. New England Journal of Medicine
2)学会のガイドライン : ex. 慢性心不全治療ガイドライン
3)専門書 : ex. 感染症診療マニュアル
4)自分(たち)の経験
(画像はNew England Journal of Medicine 引用元:http://www.nejm.org)
主にこの三つの組み合わせです。この中で医者しかアクセスできないのは「4」だけです。ただし情報はいかに手に入れるかよりも、いかに使うかです。
実際医者によって1~4のどれを優先するかは人によって違います。
世界的な論文を勤勉に読んで、常に世界の最先端の治療を行う医者。自分は何十年も医者を続けてきたのだから、自分の経験こそが一番、という医者。
あなたの主治医がどのような医者かは運次第です。
各論についてはまた次回以降。
はじめに
はじめまして
医師の小池仁と言います。
まずこのサイトを作った理由は
「より多くの人が、健康に、幸せに生きて行くためには、医師のレベルアップよりも患者のレベルアップが必要である」と考えたからです。
より健康に、幸せに生きて行くためにはどうすればいいか?
答えは一つ。
「賢くなること」です。
たとえば
あなたが余命数ヶ月の癌と診断されたと想像してください。
どうにか助かる手立てがないか探していたら、医師Aを見つけました。
医師A「この『ヨクナール』という薬を飲めば、あなたの癌は小さくなりますよ。『ヨクナール』は活性酸素の分解を抑えて体の免疫細胞ががん細胞を殺す手助けをしてくれます」
ここであなたはどうしますか?
ヨクナールを買う。家族と相談する。そんな都合のいい話はないと信じない。
答えはどれでもいいです。大事なのはなぜそう考えたのか。
これから医療情報をどう判断するか、実際に医師との接し方などを伝えていきたいと思っています。
ちなみにこの図は関係のない図です笑
引用元:http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2013/130917_2.htm